10月から始まった左官作業。
実は、どうしてもお願いしたかった地元の70代の職人さんに、無理を言って引き受けていただきました。
「一人ではできない作業やから、人手がたくさんいるし、思っている以上に大変な作業やで…」
竹小舞づくりは、山へ竹を切りに行くところから始まり、竹を割り、格子状に編み込んでいきます。
さらに、ちょうどよい具合の土を作り、それを壁に塗っていく――。
当初は、この途方もない作業の全体像を知らないままスタートしましたが、やがてその大変さを身をもって実感することに…
土の練り方、小石の混じり具合、固さなど――。
土がうまく練れていないと、職人の壁塗りの手が止まってしまいます。
体中が筋肉痛になりながらも、作業を重ねるうちに、見習い左官職人と呼べるほどの腕前になった人も現れました。
「今の土、少し柔らかかったようです。スサ(藁)を入れてください!」
「さっきの土は、小石が多かったそうです!」
「もっとスサを入れてください!」
ヤリ担当の人の声が次第に大きくなり、土練り現場では、
「もっと土を入れよう!」「水を足そう!」と即席のミーティングが始まります。
一方、土ふるい現場では“ふるいの穴の大きさ”をめぐって議論が交わされ、
スサ切り班は、せっせと押切を動かし続けていました。
そして、とうとう外壁全てが完成しました。ちょっこと、壁を塗ってみましたが…「ここは正面玄関やから、手直しさせてな~」と優しい職人さんです。
午後からは、家の中の仕切り部分の外壁作りです。このペースなら、今日中に外壁全てが完成しそうです。
職人から「家の周りに壁ができたら、家の中が暗くて手元が見えない!」という声が…
それに応えて、電気班が大活躍!たまたま家で不要になっていた電灯を持ち込み、コンセントを取り付け、絶縁は竹くぎで…見事に家の中に明かりが灯りました~✨
すべての外壁が塗り終わり、ライトを灯して記念写真(^^)/
職人さんを真ん中に、皆さんのお力が家の形として現れてきました。
最後に、古民家で使われていた竹小舞の古い竹は、竹炭にするため軽トラで運ばれました。
皆さんのそれぞれの「生きる力」が、この大きなプロジェクトを支えてくださっていることを、改めて実感した一日でした。ありがとうございました。